筋トレは、意外と自己流でやってないんですか?
改めて筋トレの方法について人と話したことはないけれど、
「筋トレはゆっくりやったほうがいいよ」
「腕立て伏せは、数を数えながら素早くやったほうがいいよ」
「軽い負荷でも何回かやればいいよ。無理しないでやるのがいいよ」
と、いろんな意見があると思います。
実は、目的によってトレーニングの方法が変わります。
そして、筋トレでもやり方によって得られる効果が変わります。
あなたは、筋トレでどんな効果を得たいですか?
ただがむしゃらに筋トレをやるよりは、その理論を学んだ上でトレーニングをすると効果的に結果を出すことができます。
今回は「スロトレ」と「クイックトレーニング」といった筋トレの方法について解説するので参考にしてみてください。
筋トレをするならしっかりとした効果が得られるようにしましょう。
この記事をオススメする人
- がむしゃらに筋トレをしてる人
- 筋トレの方法がわからない人
- 筋トレをやっているけれどもトレーニング方法で迷っている人
- 中高齢者のシニア世代(若年者にも応用可能)
- 運動習慣がない方
- 同じトレーニングをずっとしている方
- 筋トレの理論を知りたい人
「ゆっくり筋トレ(スロトレ)」と「はやく筋トレ(クイックトレーニング)」は、どっちがいいか?
結論から言うと
です。
それぞれに長所があるので、両方行った方がいいです。
そして、それぞれに得られる効果は異なります。
それでは何で、両方行った方がいいのか解説してみましょう。
ゆっくり筋トレ➡「スロトレ」とは?
スロートレーニング(スロトレ)とは、石井直方先生たちのグループが研究した方法です。
石井直方先生は、東京大学でトレーニング方法や健康などについて幅広くご活躍されている先生です。多くの書籍を執筆してます。本屋さんで筋トレコーナーに行くとすぐに見つかると思います。
スロトレは、ただゆっくりと筋トレをやればいいというわけではなく、いくつかコツがあります。
【スロトレとは?】
筋肉の発揮張力を維持したまま、ゆっくりと動作をするレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)。
【スロトレのポイント】
【スロトレの方法】
トレーニングする筋肉によって方法は異なりますが、基本的には筋肉をゆっくりと収縮させて、動作を切り替える時に関節を伸ばしきらずに休みを入れない。
スクワットであれば「3から5秒程度ひざ関節を屈曲して(曲げて)、3から5秒程度をかけて膝を伸展する(伸ばす)。その時に膝を伸ばしきらないで、また膝を曲げる」
腕立て伏せなどの方法でも同様に行います。
ダンベルやセラバンドを使ったトレーニングでも同様です。
ゆっくり曲げて、ゆっくり伸ばす。
少ない運動回数でもすぐに疲労します。
でも大事なのはここからです。
自分の筋肉を収縮させて、血流を阻害し、酸素不足や乳酸などの代謝物質を蓄積しなければならないので、疲れても頑張って運動をし続けます。
疲労してからがスロトレの醍醐味です。
そうすることで加圧トレーニングと同様に、軽い負荷で筋肉を肥大させて、筋力を強くすることができます。
【スロトレがオススメできる人】
- 若年者から高齢者まで全ての人
- 筋トレに不慣れな人
- 筋肉を太くさせたい人
- 効率的に筋肉を鍛えたい人
- 関節に負担をかけたくない人
- 自宅で筋トレをしたい人
とにかく全ての人にスロトレはオススメできます。
筋肉は、疲労させて筋肉内を過酷な状況にさせないと太く、強く成長することはできません。
短時間で効果的に結果が得られる方法としてオススメできます。
筋トレで疲労したくないという人もいると思いますが、疲労しないで筋肉を太くさせるというのは理論的にかなり厳しいです(無理です)。
はやく筋トレ➡「クイックトレーニング」とは?
クイックトレーニングは、素早く筋トレをするということです。
クイックトレーニングは、石井直方先生と同様に本も執筆されている谷本道哉先生の方に執筆されています。 NHK の筋肉体操に出演しています。
お二人とも超有名な最強筋肉コンビです。
【クイックトレーニングとは?】
筋トレの切り替え動作を素早く瞬間的に行うレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)です。
【クイックトレーニングのポイント】
- 切り返しを素早くやることで、「加速度」がつき、同じ重量でも瞬間的に重い負荷がかかる。
- 加速度がつくので関節にも負荷がかかることになる。
- 関節が痛いなど不安がある人は、ゆっくりとした動作から行い、痛みが出ないように注意する。
- 速筋線維を導入することができる。
- 神経筋線維も素早い神経活動を行う
- 素早い収縮をするために脳にも「早く筋肉を収縮させる」という刺激が入る
- 中高齢者は、素早い動きをすることが減っているため素早く動くことが出来なくなっている人が多い。
【クイックトレーニングの方法】
トレーニングする部位によって方法は異なるが、基本的には筋トレの切り替え動作を素早く瞬間的に行うトレーニング。
スクワットであれば、素早くしゃがんで飛び上がる。または飛び上がるくらい素早く膝を伸ばす。
腕立て伏せも、肘を素早く曲げて早く伸ばす。
【クイックトレーニングがオススメできる人】
- 若年者から高齢者まで全ての人
- 自宅で筋トレをしたい人
- 実用的な筋肉を鍛えたい人
- スポーツで高いパフォーマンスを出しい人
【クイックトレーニングで得られる効果】
パワーが強くなる
パワーとは何か
「パワー」=「筋力」×「速度」
です。
パワーがなければ、垂直跳びで高く飛び上がることはできません。
筋力だけを鍛えても、素早く筋肉が収縮することができなければ、高く飛び上がることはできないからです。
ゆっくりと筋肉を鍛えて、筋肉を太く、筋力を強くしてもそこに速度が伴わなければ、スポーツなどの高いパフォーマンスが必要な動作では、効果を発揮することができません。
同じ動作でも強い力を与えることができる
力とは何か
「力」=「重さ」×「加速度」
です。
スクワットをする場合、体重の軽い人でも切り返し動作を素早く行い加速をつけて膝を伸ばすことで、ゆっくりと動かした時よりも重い負荷がかかります。
腕立て伏せなど他の動作でも同様です。
脳や神経に対する効果
クイックトレーニングは、著者もトレーニング理論を考えた際に思いつきましたが、忙しくて研究にまでは着手できませんでした。
理学療法士的に中高齢者の俊敏性・敏捷性を向上したいと考えたとき、【特異性の法則】から、ゆっくり筋肉を動かす方法だけでは、神経筋(神経と筋肉を繋げる神経)、筋肉の収縮の指令を出すの脳の働きは、『ゆっくりと筋肉を動かす方法』だけしか学習することができないと考えられます。
手や足を素早く動かしたいのであれば、素早く動かす練習をするべきです。
確かにスロトレでも、疲労させることで「速筋線維」は収縮を導入することができるのですが、それは筋線維に限っての話です。
筋線維を素早く動かすための神経や脳は、素早く動かす練習をしなければ素早く動かせないと考えられます。
この反射的な動きを学習するためには、「スロトレ」で筋肉を太く強くさせ、「クイックトレーニング」で筋肉を素早く動かす脳と神経線維の速度も鍛えるという、両方を組み合わせる必要があります。
【筋肉痛が起きてしまった場合】
運動習慣のない人が筋トレをすると、ほとんどの場合、筋肉痛が起きます。
筋トレをし始めたとき、あるいはしばらく行ってなかった筋トレを再開したときには、ほとんどの場合、筋肉痛が起きると考えた方がいいです。
久しぶりに行なった筋トレで、筋肉痛が起きなかった場合は、運動回数や負荷が足らなかったと考えられます。
でも、筋肉痛は数日のうちに治ります。
筋肉痛が軽減してきたタイミングで、また筋トレを再開します。
筋トレの間隔が開きすぎてしまうと、再び筋肉痛が起きるところから始まってしまいます。
筋肉痛が改善したら、筋トレを再開しましょう。
前回よりは筋肉痛が起きにくくなっているはずです。
数回、筋肉痛を繰り返すと、同じ負荷の運動では筋肉痛が起きなくなります。
そしたら、更に運動負荷や運動回数を増やしましょう。
筋トレを始めた時に比べると筋肉痛は起きにくくなっています。
中高齢者の筋トレは「スロトレ」「クイックトレーニング」?
中高齢者、特に高齢者の場合、
「歳だから素早いトレーニングはやらなくてもいいよ」
と、本人も周囲の人も甘くなります。
そのため体を鍛えるといっても、疲れるほど筋トレをしない人が多いです。
また、体を素早く動かすという動作もしない人が多いです。
そのため
「座ったまま素早く足踏みをしてください」
また、
「どこかにつかまったまま、ジョギングをするように素早く足踏みをしてください」
といっても、素早くできない人が多いのです。
あなたは、素早く足踏みをしたりジョギングすることができますか?
中高齢者になると驚くほどできません。
「スロトレ」で、効率よく筋肉を強く太くし、
「クイックトレーニング」で、素早い筋肉の収縮をさせる練習をする。
これを組み合わせることで、転倒を予防することができます。
そして、身体のパフォーマンスを向上させることができます。
中高齢者ほど「スロトレ」「クイックトレーニング」の両方を組み合わせるべきです。
オススメの書籍
まとめ
「スロトレ」は、筋肉をゆっくりと休みなく動かすことで、筋肉内の酸素供給を少なくし、乳酸などの代謝物質を蓄積する。少ない回数、軽い負荷でも筋力が強く、筋肉が太くなる。
「クイックトレーニング」は、加速度を利用して軽い負荷でも強い負荷がかかる。素早く筋肉を収縮させることで、素早く体を動かすという実用的な筋収縮を学習する。
若年者から高齢者まで、両方のトレーニングを組み合わせでトレーニングすることをオススメします。