トレーニング用のチューブは,重さの目安がないから何を基準に強度を決めていいかよくわからないなぁ?
と疑問をもっていませんか?
ダンベルであれば重量と回数でトレーニングをすることができますが,チューブトレーニングの場合,重量はありません.ゴムの太さ・厚み・弾力性などで負荷が決まるため,数値化されずやや曖昧な指標です.
チューブを引っ張ってみて,
なんとなく鍛えられそう・・・でも,硬さでいいのかな・・・?
と思いながらトレーニングをしていると思います.
実は,ダンベルのように重量が決まってなくても強度の設定をすることができます.
「RM法」という方法で,目的に合った負荷を決定することができるからです.
この記事を読むと【チューブトレーニングの強度について】理解することができます.
「この記事は以下のような人にオススメ」
- チューブトレーニングでの運動強度を知りたい
- 何回繰り返し運動することが最適なのか知りたい
チューブトレーニングで運動強度を設定したいのであれば『RM法』を使おう
ダンベルを使ってトレーニングをしている方は,
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と重量,運動回数,セット数を決めてトレーニングしてると思います.
トレーニングチューブでは,重量を決めることができません.チューブを選ぶ段階で決めることは,チューブの『張力』です.柔らかいチューブは,初心者向けで,硬いチューブは,上級者向けです.
しかし,実際のところ鍛える筋肉や運動方法によって,軽い負荷の方が良いときもあれば,強い負荷がかかる方が良い場合があります.また,メーカーによって硬さは異なるため,購入してみないとわからないことが多いと思います.
鍛える筋肉や運動方法によって選ぶチューブが異なるのであれば,どのように運動強度を決めれば良いのでしょうか?そこで,参考にしてほしいのが『RM法』です.
『RM法』とは?
RMは,【Repetition Maximum】の略で「最大反復回数」のことです.
「もう持ち上がらない!」と思う限界まで,一定時間内で何回繰り返して反復運動ができるかということです.休みを入れながらでは回復してしまうために,連続で繰り返し行います.
1回しか運動ができない場合を【1RM】といいます.(1回が最大反復回数)
5回繰り返し運動ができる場合を【5RM】といいます.(5回が最大反復回数)
1RMを100%とし,それを基準に運動の負荷と回数を決めていきます.
1RMを基準にするのであれば,1回しか持ち上がらない重量を持ち上げるのが手っ取り早いのでは?
と思うかもしれません.
しかし,1回しか持ち上がらないほどの重量を持ち上げると,体のどこかを痛めて怪我をする可能性があります.
トレーニングにとって怪我は大敵です.1回しか持ち上がらないほどの重量を用意することも難しいです.
そこで,最大反復回数を基準にその負荷が自分にとって何%の力なのか(%1RM),推定の最大重量を計算していきます.
つまり,運動の回数で「推定1RM」を決定していきます.
どんな場合に『RM法』を使うか?
『RM法』は,回数によって負荷を設定します.
ダンベルのように重量を設定して運動を行う場合にも使用できます.また重量が設定できないトレーニングの場合にも使用することができます.
そして若年から高齢者まで幅広い人に応用することができます.
運動が可能な回数によって,トレーニングの効果が変わってきます.
運動の回数にもよりますが,負荷が強く運動開始が少ない場合には【筋力UP】の効果が期待できます.逆に負荷が弱く運動開始数が多くなる場合には【筋持久力UP】のための運動方法になります.
1RMを決める方法
それでは,1RMを計測する方法を紹介していきます.
マシンやダンベルなどを使用すれば,直接1RM(1回しか持ち上げることのできない最大重量)を計測することもできますが,怪我などのリスクもう考えると【推定1RM】を算出する方法がおすすめです.
それではどのように【推定1RM】を算出するのでしょうか?
反復回数から【推定1RM】を測る方法
正しいフォームで持ち上げられる最大重量で繰り返し運動を行います.
チューブの場合には,最後まで伸ばせるところまで関節を動かします.自分が運動可能な範囲でゴムのなるべく強い張力を設定して,関節運動を行います.
ポイントは,『正しいフォームで最終域まで関節をしっかりと動かす』ことです.
『All Out』まで連続して運動を行います.
『All Out』とは,『疲れきってへとへとになること』『運動で疲労困憊になること』です.
チューブトレーニングは『All Out』の回数から,%1RMを推定しましょう.
最大反復回数から,以下の表を参考に『%1RM』を決定します.
主観的な運動強度で測る方法
チューブの弾力が固い場合や運動が初心者の場合は,最大限までチューブが伸ばせない場合があります.
トレーニングチューブを引っ張る距離によっても強度が変わるため, 正確に最大反復回数が測定できない場合もあります.
その場合には『主観的運動強度』 を参考にしてトレーニングの参考にしましょう.
『主観的運動強度』のデメリット
主観的というのは,「個々の感覚や感じ方」という意味です.運動に対する個人の感じ方は異なります.運動嫌いな人は,少し疲れただけでも「疲れた」と言うでしょう.また精神的な状態にも影響されると思います.
「今日は何となく運動したくないなぁ」という場合には,疲労を感じているかもしれません.
運動に対するモチベーションが低い場合には,限界が来る前に運動をやめてしまうかもしれません.
客観的な指標と比べて,主観的な感覚は曖昧な指標になってしまうのがデメリットです.
何を目的にトレーニングをするのか?
何を目的に筋力トレーニングをしていますか?
強い力を身につけたい
筋肉を太くして, T シャツの似合う体になりたい
スポーツ競技でパフォーマンスを向上させたい
様々な目的で筋力トレーニングを行っていると思います.
筋力トレーニングの強度によって,期待される効果が異なるとされています.
筋肉を太くさせるのが目的です.運動は軽い負荷で10回程度行っています
という場合には,目的と運動負荷・回数があっていないと思われます.
自分が何を目的にトレーニングをしているのかを明確にし,最大限に疲労するまでの回数を設定していきましょう.
トレーニングの目的に合わせて,最大反復回数を確認します.以下の表を参考にしてみてください.
筋力
筋力アップを目的としてトレーニングする場合,最大反復回数は1~4回になります.
チューブトレーニングでは,ここまでの負荷をかけることが難しい場合があります.張力の強いチューブを選ぶようにしましょう.
何種類もチューブを用意ことができない方は,チューブを二重にして挑戦してみるといいと思います.二重にした場合には張力が強くなりすぎてしまう場合があるので,その際にはやはりちょうどいい張力のチューブを用意する必要があります.
筋肥大
筋肥大を目的としてトレーニングを行う場合には,最大反復回数は5~14回になります.
運動回数が増えると,フォームが崩れることがありますか,正しいフォームで,しっかりと狙った筋肉に負荷がかかっていることを意識しましょう.
トレーニングの直後には,筋肉が張り,トレーニング前よりも太くなります.一時的に筋肉が肥大することを『パンプアップ』と言います.これは,一時的なもので,筋肉が太くなっているわけではありません.しばらく経てば元に戻ります.
普段から T シャツの似合う体になりたい
というのであれば,トレーニングを長期間続ける必要があります.
筋持久力
筋持久力アップを目的としてトレーニングを行う場合には,最大反復回数は15~20回になります.ここでの持久力は,筋肉の持久力です.
マラソンが速くなるわけではありません.長距離走などの持久力では,筋力だけでなく心肺機能が伴います.目的に合ったトレーニングを行いましょう.
また20回以上スクワットを行ったからといって,長距離走で足が疲れないかというと・・・疲れます.長距離走などの運動では,長時間足を動かすことになります.長い距離走っても疲れにくい筋肉を作りたいのであれば,長い距離を走らなければなりません.
何セット繰り返せばいいのか?
トレーニングの目的によって,何回連続して運動を繰り返せばいいのかは分かりました.それでは何セットぐらいその強度で運動したらよいのでしょうか?
多くの場合は,【3セット程度】と言われます.1セットの中の運動は連続して行い,筋肉を疲労させます.
蓄積した乳酸窓の代謝物質が,休むことで筋肉ないから移動し,(完全ではありませんが)やや回復します.
筋肉が回復しきる前に次のセットを行います.
休憩時間によっては,1セット目に行った運動回数をこなすことができないかもしれません.しかし,それでもいいのです.”筋肉を疲労させることが重要”です.
1セットだけでなく,3セット程度繰り返して運動を行いましょう.初心者の方は少ないセット数からやりましょう.でもいつまでも同じセットするではなく,段階的にセット数を増やしていきましょう.
チューブでは『直接1RM』が計測しにくい理由
トレーニングチューブを使用して直接1RMを測定することは難しいです.
直接1RMを測定するということは,1回しか運動することができない程度の強さでトレーニングチューブを引っ張るということです.
その理由はいくつかあります
- チューブを固定するところがない
- チューブを持っている手が痛くなる
- チューブの長さによって張力が変化する
- 固いチューブを用意しなければならない
これらのことが考えられます.
- チューブを固定するところがない
運動方法によっては,チューブを周囲のものに固定して運動することを思いつくと思います.
自宅の中の家具ではしっかりと固定できるところが少ないかもしれません.
(自宅の環境によっては固定がしっかりできることもあります)
自分の足でチューブを踏む場合にはしっかりと固定することができると思います.
- チューブを持っている手が痛くなる
当然ですが,チューブは引っ張ると細くなります.強い力でチューブを引っ張れば,手にかかる圧も集中し,手が痛くなります.トレーニング用の手袋や軍手などを使用するとその問題は解決できます.
- 硬いチューブを用意しなければならない
硬すぎるチューブは,なかなかやる気になりません.数回しか動かせないほど硬いチューブを用意する気にもなりません.関節を最後まで動かす最大筋力と, チューブが伸ばせる範囲がぴったりと合うというのはなかなか難しいです
ほとんどの場合は,繰り返して運動するほうが現実的なため【推定1RM】を計算します.
『All Out』まで追い込もう
筋力を目的にトレーニングする場合でも,筋肥大を目的とする場合でも,筋持久力な場合でも,筋肉が疲労するまでトレーニングをするという点においては同じです.
筋肉が疲労することなく,余裕でできる運動回数や負荷では,筋肉の能力が向上することはありません.”現状維持”程度しかできないと思います.
身体機能を高めるという目的があるのであれば,筋肉を『All Out』まで追い込む必要があります.
若い人でも,高齢者でも同じです.運動嫌いな人に運動を指導しても,なかなか強くはなりません.
人から運動を勧められて,こなしているだけでは身体能力の向上は難しいでしょう.
「過負荷の法則」や「漸進性の法則」を意識してトレーニングを行う必要があります.
チューブトレーニングも『All Out』まで追い込むことで,身体能力の向上が期待できます.
『All Out』までトレーニングをするには,”気合”が必要ですね.
まとめ
チューブトレーニングは,安価に自宅で可能なトレーニングです.
運動強度を設定するうえでは,『RM法』から運動負荷を推定していきましょう.
反復して可能な運動回数で,筋力増強の目的が異なります.
鍛えたいと思う筋肉にしっかりと負荷がかかるように正しいフォームで可能な最大反復回数を行いましょう.
中途半端な回数のトレーニングを行っても,身体機能が向上することはありません.
『All Out』まで筋肉を追い込み,疲労させることでトレーニングの効果は出てきます.
正しい方法でトレーニングをすることで,自宅にいても筋力を向上させることができます.
手軽に始められる運動器具ですので,是非試してみてください.
最後までお読みいただき,ありがとうございました.
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