人間が転ばないためには様々な能力が必要です。
今回は、感覚(深部感覚、関節感覚)について解説します。
転ばないための感覚とは?
人間の感覚には様々な感覚があります。
大きく分けると「表在感覚」「深部感覚」です。
表在感覚は、表面の感覚(触覚、圧覚、温度覚)
深部感覚は、関節などの感覚(運動覚、位置覚)です。
人間が動くためには、どちらの感覚神経も必要になります。
例えば歩いているときに、足の裏が地面についている感覚がなければ自分の足が地面に付いているのがついていないのか分からないので不安になりますよね?
硬いところを歩いているのか、柔らかいところ歩いているのか、足の裏の感覚で判断しますよね?
足の裏が冷たいのか、暑いのか、このような感覚も足の裏の表在感覚でわかります。
深部感覚は関節の角度が、目で見ないでもどのぐらい曲がっているのかがわかると言う関節の中の感覚です。
坂道を登っているときに、どのぐらい膝が曲がっているのか、このような感覚は足を見ていなくてもわかります。
今座っている人は、あぐらをかいているのか正座をしているのか普通に座っているのか、目で見ないでも自分の位置が分かります。
このように表面で感じる感覚と、関節の中の深部で感じる感覚があります。
感覚も衰えるのか?
体の感覚も年齢とともに衰えることが考えられます。
基本的に使っている能力は維持されて、使わない能力は衰えていきます。
筋力でも、なんでもそうです。
歩くのに必要なのは「表在感覚」「深部感覚」両方とも重要です。
主に、鍛える必要があるのは「深部感覚」です。
感覚の鍛え方
足の「表在感覚」「深部感覚」はともに鍛えることができます。
体の機能は使えば強くなり使わなければ良くなります。
足の裏や足全体にいろんな感覚を入力していきましょう。
深部感覚の鍛え方
深部感覚は目で確認しなくても自分の体がどこの位置にあるのか、関節はどのくらい曲がってるかを把握できる感覚です。
深部感覚を鍛える方法
- 段差を目で見る
- 段差を登る時にどのぐらい足をあげなければいけないのかを確認する
- 目をつぶる
- 目を瞑ったまま段差に足を乗せてみる
〇 つまずくことなく上がれば OK(足を高く上げすぎると意味なし)
× つま先が段差にぶつかってしまう
- 階段の手すりにつかまる
- 手すりを持ったまま目をつぶって階段を上がる
- 躓かないようにゆっくりとのぼる
※下りも同様に行う
※転びそうな人はやらない
- 座ったまま足の広さを適当に調節する
- 目をつぶったまま”手の人差し指”を立てる
- つま先があると思われる位置の上に”手の人差し指”の場所を合わせる
- 足の指先と”手の人差し指”の位置が合っていれば OK
表在感覚の鍛え方
普段から様々な状況を歩くことです。
足の裏に刺激を与える
- 芝生の上
- 砂利道の上
- コンクリートの上
- 登り道、降り道
- バランスマットの上
- じゅうたん・カーペットの上
足の裏に刺激を与えるため、なるべく素足で歩いた方がいいでしょう。
足の裏の皮膚が厚くなっている人は、なるべく柔らかくしといた方が足の裏に触れる刺激も強くなります。
山を登りは足にいろいろな感覚を入れてくれる
最近はシニア世代でも山登りを趣味としている人が多いです。
凄く良い趣味だと思います。
山を登りに行くと、坂道はあるし道も平ではありません。
石や岩を越えなければなりません。
高さの違う段差を登ぼり、そして下ります。
足の歩幅もその状況によって変えなければなりません。
足の表在感覚や深部感覚に非常に様々な刺激を与えてくれます。
体力がある人はぜひやってみてください。
感覚入力のおすすめグッズ
リハビリテーションの現場でも使っているものがあります。
どれもそんなに高額なものではないので使ってみましょう。
感覚入力の練習は体力的にそれほど辛いものではありません。
そして効果はなかなか感じにくいものがあります。
つまりやっていて「効果があるのかないのかよくわからない」と感じることも多いでしょう。
続けることが大事です。
継続は力なりです。
まとめ
- 転ばないためには感覚の能力も重要
- 「表在感覚」「深部感覚」の両方を鍛えましょう。
- 様々な状況を歩いて足に刺激を入れましょう。
- 自宅ではおすすめグッズを使ってみましょう。
- 転倒の予防に十分に配慮が必要です。