自重トレーニングで効果が出る【自覚的強度】はどのくらいの強度か?/ 『Sスケール』

自重トレーニングの効果 トレーニング

筋トレをするときに最大筋力を測るのはめんどくさいし,何を基準にしてかよくわからない.内容を入力してください。

と考えてる方は多いのではないでしょうか?

 

筋トレをするときの指標に『RM法』があります.

これは,”なるべく重い負荷で何回運動を反復することができるか”から,負荷と運動回数を決定する方法です.

 

「しかし,正直言ってめんどくさい」

と思っている方が多いはずです.

 

この記事では,【自覚的な運動強度】から,どのぐらいの負荷がかかれば筋力の向上が期待できるのかを紹介していきます.

この記事を読み終えると,

  • 筋トレでの自覚的な運動強度はトレーニング効果を出すのに有効なのか?
  • どの程度の運動強度が筋トレ効果を出すのに必要なのか

が分かると思います. 

是非読んでみてください.

自重トレーニングで効果が出る負荷量【自覚的強度】はどのくらいの強度か?

自重トレーニングは,その名の通り自分の体重を使ってトレーニングをする方法です.

効果を出すためにはどの程度の負荷がかかればいいのでしょうか?

 

結論からいいますと,自覚的な強度が『かなり効いてきた』と感じて,筋肉の状態は『鍛えてる部分がかなり重たく感じる』まで追い込む必要があります.

 

自重トレーニングで,そこまで追い込まずに目標回数を達成してやめてしまう方もいるのではないでしょうか?

腕立て伏せを毎日,10回×3セットやる!

 

と決めて運動してる方もいると思います.

筋トレを開始した当初はそれでいいのかもしれませんが,トレーニングをして筋力が強くなると,初期の負荷や回数では物足らなくなります.

自覚的な運動強度では,「少し効いてきた」「効いてきた」と感じる程度ではなく,『かなり効いてきた』と感じる程度まで追い込む必要があります.

筋トレでの運動負荷の決め方が”めんどくさい”ので自覚的な疲労感でトレーニングする

筋トレにはマシントレーニング,チューブトレーニング,自重トレーニング,など様々なものがあります.

そして,トレーニングの負荷を決める方法には『RM法』などがあります.これは「もう持ち上がらない」という限界まで一定時間内で繰り返し反復運動を行い,「1RM(repetition maximum):1 回(最大)拳上重量」を基準に重量と負荷を決める方法です.

こちらの記事も参考にしてみてください.

トレーニングチューブで筋トレの強度を決める方法『RM法』
チューブトレーニングの強度をどのように決めればいいかわからない方は多いと思います.『RM法』でという方法で,目的に合った負荷を決定することができます.この記事を読むと【チューブトレーニングの強度について】理解することができます.

『RM法』はマシントレーニング,ダンベルなどの重量を使ったトレーニングでも,負荷を決める方法として用いられる方法です.

このやり方の問題があるとすれば,「面倒くさい」という点でしょうか?

 

「そんなものをいちいち測らなくても手っ取り早く運動したい」というような考えをお持ちの方は多いと思います.筋トレを開始する時に,「とりあえず疲れるところまで行ってみる」という方が実際のところ多いのではないでしょうか?

ほぼ全員がそうだと思います.

それでは自分が「疲れた!」と思う,自覚的な感覚(自覚的強度)ではだめなのでしょうか?

筋トレは【自覚的運動強度】で「かなり効いてきた」と 感じる程度までやると効果が出る

筋トレをして,「効いてきた」と感じても,その感じ方には段階があります.

「なんとなく筋肉に効いてきた気がする」

「実際にトレーニングしてる筋肉が疲労してきている」

「トレーニングしている筋肉が張ってきた」

「トレーニングしてる筋肉が動かなくなってくる」

といった感じで,筋肉は疲労感にできてるのではないでしょうか? 

自覚的にどの程度の負荷がかかればいいか?

自覚的強度の指標に『Sスケール』というものがあります.

『Sスケール』とは,トレーニングしてる筋肉の自覚的な疲労感を指標とした強度スケールです.

 

これまでの研究では,一見大雑把と思えるこの指標でも,

  • 筋トレのできる回数が増えた
  • 筋力が強化された

といった効果が報告されています.

Sスケール

寺田ら.体育学研究. 57191199,2012から引用

 

筋トレをして「大丈夫!余裕~」「この程度では,少し効いてきたくらいだね」という程度では,筋トレの効果は期待できません.

 

少し見栄を張って余裕のある態度をとりたくなるところですが,筋トレにおいては「鍛えている部分がかなり重たく感じる」程度までトレーニングをして,「もう限界」の一歩手前の状態まで追い込む必要があります.

 

筋トレの運動回数や負荷の設定がよくわからない人は,とりあえず「かなり効いてきた」と感じる程度まで筋肉を追い込む必要があります.

筋トレ効果

こんなときに”Sスケール”は使える

自重トレーニングやチューブトレーニングなど細かな負荷量の設定ができない場合には,自覚的な運動強度を目安とする”Sスケール”は使えます.

 

日々のトレーニングでも,最大荷重量の設定が面倒な時には主観的な感覚で筋トレをやめると思います.

面倒な時には,ただ回数をこなして終了にしてしまう場合もあるのではないでしょうか?

 

運動にも慣れてくると,同じ負荷でも回数を多くこなすことができます.

そして,多くの回数がこなせるために,途中で面倒になってトレーニングを終了にしてしまう場合もあるのではないでしょうか?

 

その時に思い出してください.

”過負荷を与えなければ筋肉は育ちません”

 

『過負荷(オーバーロード)の法則』についてはこちらをご覧ください

トレーニングの法則「過負荷の法則」
トレーニングにはいくつかの”法則”があります。 今の運動を振り返って、本当に効果があるトレーニングをしているのかどうか確ReadMore...

とりあえずトレーニングをしてみて, 

「かなり効いてきた」

「鍛えてる部分がかなり重たく感じる」

と思うぐらいまでの運動回数をやりましょう.

 

【Sスケール】の表を見ながら筋トレをした方が良い

筋トレする時につらそうにしていても,意外とまだいける場合もあります.

 

トレーニングしてる人にこの表を見せながら 「今はどのぐらい筋肉に効いていますか?」と聞いてみると意外とS4ぐらいかもしれません.

「まだできる!」

と確認をしながらトレーニングをしてみましょう.

 

Sスケールのメリット,デメリット

メリット

面倒な評価を行わなくても運動ができるのがメリットです.

【RM法】でも, トレーニングごとに最大負荷を設定するのは正直めんどくさいです.

 

腕立て伏せでもするか!

 

と決めたら,細かいことは考えずに腕立て伏せをするのが普通ではないでしょうか?

あまり細かいことは気にせずにトレーニングをしたいと思う方も多いはずです.巣ごもり生活で自宅で筋トレをする機会も多くなってると思います.

家の中で筋トレをしている時に,細かな負荷の設定はしていられません.

どこでも筋トレ効果が出るまでの負荷をかけられるのが,この評価のメリットです. 

デメリット

Sスケールは自覚的な運動強度のため, 疲れの感じ方は人によって違います.

” 筋トレが好きな人”と”筋トレが嫌いな人”だけでも疲れの感じ方は変わってきます.

【ケース1】主観的なので本人のモチベーションが低いと疲れを感じる

運動習慣がない人に筋トレを勧めると嫌がられます.

少ししか筋トレしていないのに,「疲れた」「もうやだ」という方の場合には,自覚的な運動強度があてにならないという場合があります.

そのような場合には,どのスケールを使っても筋トレ自体が効果的ではありません

まずは運動に慣れるところからやりましょう.

そのためには本人がモチベーションを上げる必要があります. 

【ケース2】運動回数で効いてきている気がする

どのようなトレーニングでも,10回を目安として運動をする場面はよくあります.

数を数えて10回程度になると,なんとなく頑張った気になってしまうことがあります.やっと気になってしまうために,気持ちも「かなり効いてきた気がする」と考えてしまうことがあると思います.

運動に慣れてくると,同じ回数では十分になってきます.

回数をこなして「効いてきた気がする」と考えるのではなく,鍛えている筋肉がかなり重たく,動かなくなってくるぐらいまでトレーニングしましょう

『漸増性の法則』 もチェックしてみてください.

トレーニングの法則「漸進性の法則」
筋力トレーニングの法則に”漸進性の法則”があります.トレーングの効果を得るには運動負荷を増やす必要があります.ダンベルも重量の変えられるものにしましょう.

【ケース3】”全体的な疲労感”なのか”トレーニングしてる筋肉の疲労?なのか

腕立て伏せをする場合,腕だけでなく体幹を支えている腹筋や足の筋肉にも力が入ります.どこの筋肉にも力が入っているため,全身が疲れてるような感じがします.目的としている筋肉の疲労感なのか,それとも支えるための全体的な身体の疲れなのかがわからなくなります.

身体が全体的に疲れている場合には,目的としている筋肉が疲労する前に運動を止めてしまうかもしれません.局所的な筋肉をターゲットとして筋力強化や筋肥大を狙っているのであれば,全体的な疲労感が邪魔をして目的としている筋肉のトレーニング効果が得られないかもしれません.

自重トレーニングでは,体を支えるための筋肉も動員されることが多いです. 局所的な筋肉の強化や筋肥大を狙っているのであればトレーニング方法を検討する必要があるかもしれません.

【ケース4】性別によって主観的な運動強度は違うかもしれない?

過去の研究では,主観的な運動強度に性別による差があるかもしれないということが言われているようです.それよりも運動習慣やモチベーションなど個人の要因の方が関係してくるように思いますが・・・

まとめ

筋トレをしている時には主観的な疲労感でトレーニングしてることが多い.

 

主観的な運動強度で筋トレをする時には,「かなり効いている」「鍛えてる部分がかなり重たく感じる」程度まで負荷をかける必要がある.

 

「Sスケール」の表でターゲットとしている筋肉が追い込めるほどトレーニングができているのかを確認しよう

 

主観的な運動強度の感じ方には,個々の要因による影響が関係してしまう可能性がある.

トレーニングに対するモチベーションが上がるように工夫しよう.

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