アクティブシニアっていうけど、私は太っているし、体力もないわ。
年をとってからどうなっちゃうのかしら?
運動は好きじゃないし、食べ物は美味しいし。老い先長くないから好きなもん食べたいわ~
と考えている人も多いのではないでしょうか?
こんな話はよく聞きます。”あるある”です。運動が嫌いで、食事は食べたいものを食べたい!珍しくないはずです。
でも、シニア世代は若いころと違って筋肉量が弱くなりやすいです。健康維持の対策をとらないと太るし、筋肉はなくなるし、ますます動けない体になっていきます。この状態をサルコペニア肥満といいます。
サルコペニアには栄養が大事!ということですが、サルコペニア肥満の方はどのような食事摂取に注意したらいいのでしょうか?
この記事では、サルコペニア肥満の方、サルコペニア肥満の可能性がある方にたんぱく質の摂取が良いのかについて解説していきます。ぜひ読んでみてください。
サルコペニア肥満とは何ですか?
サルコペニアは、「加齢に伴って筋肉量、筋力、身体機能が低下する状態」です。それでは、サルコペニア肥満の意味は以下のようになります。
ということですね。脂肪はあるけど、筋肉はない状態なので身体を支えるのが大変です。膝にも負担がかかります。特に女性は、”変形性膝関節症”で膝に痛みを抱えている人が結構多いです。変形性膝関節症の方は、もちろん痩せ型の方もいるのですが、肥満体型の方が多いです。筋肉が少なく、肥満で体重が重いので膝に負担がかかるのも仕方がありません。
シニア世代の方が、さらに年齢を重ねるとさらに筋肉量が減りますね。筋肉量が少ないので脂肪は燃焼しにくく、筋肉量が減っていくということで、身体が動くうちに痩せる必要があります。
サルコペニア肥満にたんぱく質の摂取は効果があるのか?
さて、筋肉を付けるためには筋肉のもととなるたんぱく質を中心とした栄養が必要です。
そこで、こんな研究があります。
65歳以上の高齢女性を対象に,サルコペニア肥満と”筋肉量,タンパク質の摂取”が関連するかを検討した.(Muscariello E.2015)
結論から言いましょう!
凄くないですか!?
たんぱく質は大切ですね。少し細かく説明していきましょう。
この研究では,サルコペニアとダイエット治療,身体活動について調査をしています.
対象:サルコペニア肥満 女性 104名
群:通常タンパク質摂取群 |(0.8g/kg 適正体重/日)
高タンパク質摂取群 |(1.2g/kg 適正体重/日)
3ヶ月間のカロリー制限食(20~25kcal/kg適正体重/日)の食事介入
その結果, 『通常タンパク質摂取群では筋肉量が低下し,高タンパク質摂取群では筋肉量が上昇した』ということです。
両群間の身体活動量(歩く量などの運動量)には差がなかったことから、食事内容の差が体組成に影響した!という結論です。
たんぱく質のを摂取するためには?
たんぱく質を多めに食べる食事をすればいいのね⁉
何を食べたらいいの?
たんぱく質を積極的に摂取することで、筋肉量が増えやすいことがわかりました。
でも、エネルギー摂取量も増えすぎてしまっては太りそうですよね?エネルギーは普通に摂取しながらも高たんぱくの食品を食べるようにしましょう。
肥満を改善するためには, 食事の管理と適度な身体活動量,そしてタンパク質摂取によって筋肉量を増やすということが必要です。筋肉量を増やして基礎代謝を上げて脂肪が燃焼しやすい状況をつくりましょう。
たんぱく質の摂取量を増やすのは難しい!?
普段の食事でたんぱく質の摂取量を増やすことは,意識しないと難しいかもしれません.
たんぱく質が、食事内容の中に少ないことが多いのではないでしょうか?
普段の食事を考えてみてください。パンやご飯,麺(ラーメン、そば、うどん、パスタ)など主食となるものには炭水化物が多いですよね?毎回、肉料理や魚料理を食べるのも大変ですよね?
たんぱく質のある料理を意識するとお金がかかる
と思っちゃいます。牛乳を毎日飲んでいますか?お茶やコーヒー、清涼飲料水(ジュース)、お酒などを飲む方が多いと思います。
牛乳は1本買っても飲み切らないからな~
といって、牛乳が自宅にないという方もいると思います。しかし、毎回の食事でたんぱく質を摂取することが難しいのであれば、牛乳を飲むのが手っ取り早いと思います。あるいは、プロテインです。
いまや、プロテインは若者だけのものではありません。体型づくりのためのたんぱく質摂取だけでなく、高齢者の筋力維持・筋肉量維持こそ必要ではないでしょうか?
忘れてはいけない運動
この記事では、たんぱく質の摂取について書きましたが、運動は必須です。
アクティブシニアの方々は、日ごろから運動をしていると思いますが、筋肉の合成は、筋トレやウォーキングなどの運動&たんぱく質を摂取して栄養をとることが必要です。たんぱく質の摂取ばかりに気を取られず、運動をしっかりとすることを忘れないようにしましょう。
まとめ
シニア世代は、加齢とともに筋肉量が低下しやすくなります。
肥満&筋肉が弱い人は、今後サルコペニア肥満で動くことが大変になってしまう可能性があります。
たんぱく質を積極的に摂取することによって、筋肉量が増加するという研究がありますので【1.2g/kg 適正体重/日】のたんぱく質が摂取できるようにしてみましょう。
様々な食事をバランスよく摂取しつつ、たんぱく質の量を確保しましょう。
筋力を付けるための運動も忘れずに行いましょう!
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