あちゃー!大学院生活・研究の失敗【後から気が付いても遅い】

研究

【大学院生あるある】「あちゃー!大学院生活・研究の失敗」について解説します。
理学療法士だけでなく、作業療法士看護師医療系の大学院では共通する部分があります。

あまり書籍には書いていない情報だと思いますので参考にしてください。

他の大学院生を見ていて、

あーこの人の研究‥やっちゃってるなぁ。大丈夫かなぁ?

と思ったことがあります。

第三者からは、なかなか指摘ができないものです。
そして指摘してもらわないと気がつかないのであっという間に一年間が終わってしまいます
大学院に進学している人、進学しようとしている人はぜひ注意して下さい。

研究が全然進んでない人・・・ 

大学院の修士課程、博士課程では定期的に発表会があります。
自分の研究について進捗状況を報告し、改善点があれば指導を仰ぎます。

私が通っていた大学院では、前期後期に一回ずつゼミの発表会がありました。
発表会のやり方は、養成校によって違います
発表内容についてはアナウンスされることなく、先輩の発表を見よう見まねで

こんな感じかなぁー?

とか思いながら発表のスライドをつくっていきました。

修士課程2年間の発表の流れはだいたいこんな感じでした。

修士課程2年間の発表の流れ

修士課程一年目:前期  「研究計画について」
修士課程一年目:後期  「研究の進捗状況について」
修士課程二年目:前期  「研究の進捗状況について(その2)最終発表のちょっと前の段階」
修士課程ニ年目:後期  「ほぼ完成した研究結果(最終発表の予行練習)」

の他: 自分が所属しているゼミや指導教員とのディスカッション

1年に2回、全体の発表会

ですので、何回か同じ研究について発表する機会があるわけです。

博士課程でもこの流れはあまり変わりません。

この発表の流れを見ていると、

2年間でやればいいわけだから結構時間あるんじゃない?

と思うわけです。

ところが、この定期的な研究発表会を見ていて思うことがあります。

この人‥‥研究が全然進んでいない。進捗状況というより、進捗していない状況じゃない?

このパターンは、ほんとによくあります。

修士課程の前期も後期も内容がほとんど変わらずに、研究計画について発表している人がいます。

1年間・・・何してたんすか~?

とずっこけてしまいそうになりますが、研究が進んでない人は結構います。
初めて研究計画を立てるというのは、それだけ難しいのです。

大学生のころと同じような感覚でいる

大学生の気分のまま、他の人と一緒に遊んでいたりするとこのような状況になってしまいます。

私の場合は、大学を卒業してから数年働いた後に大学院に進学したため、学生の気分が抜けていました。

大学院で何かを会得しなければ、お金も時間も無駄にしてしまう

と覚悟を持って大学院に進学していたため、大学生の頃の延長という感じではありませんでした。
30歳も近かったので、焦っていました。

でも、大学を卒業したばかりの人は、就職をして給料もらえば、遊びたくなりますよね?
自分で稼いだお金で好きなものが買いたいと思うはずです。
旅行もしたいし、お出かけもしたいですよね。

ところが、大学院でそんなことをしていると研究の遅れをとってしまうことになります。

基本的には自己学習です。
仕事以外の時間を使って、研究計画を作成します。

自分で勉強しなければいけないこと
  • 論文の検索方法
  • 自分の研究に関する関連論文について検索する
  • 英語論文を読むために英語
  • 統計学
  • 研究デザインについて
  • 測定する機械の使い方
  • 研究計画書の作り方
  • 倫理審査について
  • データ測定の仕方
  • 被検者に対する説明・同意の取り方
  • PowerPointの使い方
  • Excelの使い方
  • wordの使い方
  • 学会発表の仕方
  • 論文の書き方

まだまだありますが、基本的には自己学習です。
自分で教科書を探したり、ネットで調べたりと自分で行動できるか否かが大学院生活を決めます
その他、自分で履修した科目の授業には参加してレポートを提出しなければなりません。

大学院生に遊んでいる時間はありません。

覚悟を持って大学院に進学しましょう。

研究活動が遅れないためにはどうしたらいいのか?

どうしたら、定期的な研究発表会で遅れをとることなく研究を進めることができるのでしょうか?
私なりに考えたことをお伝えしたいと思います。

見出し

1. 年間のスケジュールを明確にしておく
2. 少し早いすぎるんじゃないかと思うくらいのペースで研究を進める
3. 先行研究を読みつつ、先行研究を読んでいるばかりでなく、

 具体的に自分の研究を研究計画書に書いてみる

4. 週1回は自分の考えたことについてスライドでまとめ、指導教員に相談する
5. 倫理講習会は早めに受けておく
6. 倫理審査の書類を早めに作っておく。そして提出する。
7. 倫理審査の書類は訂正が入ることを前提としておく
8. 訂正されたものは即刻直す
9. 研究計画を妄想するだけでなく、実際にプレ実験をやってみる
10. 倫理審査委員会からの承諾通知が来たらすぐに研究の本実験が開始できるように準備しておく
11. しつこいと思える位、先輩や指導教員に相談する
→しつこい位に相談してくる人は結構可愛がられる
12. 1回目の研究はたいてい失敗すると考えておいた方が良い
13. 研究が全てやり直しできる位の余裕を持った研究計画を立てる

つまり、早め早めに行動することです。

できれば修士課程に入学した時点で、研究計画書が出来上がって、書類を通せば実験ができる位の速さがあると良いでしょう。

大学院に入ってから、考えればいいや

1年目は履修登録で受けなければいけない授業をしっかりと受けて、2年目から本格的に研究活動しよう

という人は、「大学院生の研究活動が終わらないあるある」に当てはまります。

大学院生の後半になって

よもやよもや!穴があったら入りたい!

となってしまうので注意しましょう。

頑固者!他人の指導が素直に受け入れられない人は失敗する

自分の研究計画に自信を持ち過ぎている人も要注意です。

指導教員や、第三者から見たら

この研究絶対失敗するなぁ~

という研究内容なのに、

参考にさせていただきます

というばかりで、全然修正をしない人がいます。

自分の研究に対する理想と、現実に実効性がある研究かどうかは冷静に判断しなければなりません

自分の研究には信念を持つことが大事です。
その研究の大切さが他の人にはわからなかったとしても、実は非常に重要な研究で、後から評価されることもあります。
「(芸術的な絵画が、作者が死んだ後にその凄さが気づかれるように)あの研究ってこんなにすごい研究だったんだ!」
と思われることもあるでしょう。

そのためには、他の人に評価されなくても貫く信念も大事だと思います。

ところが、信念を貫きすぎて、大学院のうちに研究が終わらないという結果になってしまうこともあります。
「自分の研究を大学院を卒業しても続ける」という信念を持ち続ける人もいるでしょう。

まぁ、それはそれで良しとして・・・
やはり、他の人の指導を素直に受け入れて修正や方向転換できる柔軟性も必要です。

自分一人で研究をしていてもできる範囲には限りがあります。
自分がしている情報にも限界があります。
他の人がその情報を持ってるかもしれません。

他の人の持ってる情報を素直に受け入れて方向転換ができる素直さや柔軟性があった方が大学院での研究活動は上手くいくかもしれません。

自分が学んでいる立場だということを忘れずに、謙虚な姿勢で研究に向き合いましょう

全然大学院に顔を出さない!「あれ?あの人って大学院生だっけ?」

働きながら大学院に入ってる人が多いと思うので、仕事の関係上なかなか大学院に顔出せないこともあります。

養成校にもよりますが、出欠の確認をしなかったり、自由参加というスタイルもあるかもしれません。大学生の時はこれがラッキーだったりして、学生の中には授業に出たり出なかったり・・・
学費を払ってるのは自分なので、別にいいんですけれども・・・

自分一人で研究をやろうと思うと周りの空気というのがわからなくなります。

・今、研究はどこまで進めなければいけない段階なのか?
・他の人がどんなことを指摘されているのか?
・発表スライドはどのように作成したらいいのか?
・他の人の研究はどのくらいのレベルなのか?
・履修科目に対する情報
・レポートや試験に対する情報

大学院に顔を出さなければこれらの情報を得ることができません。
こういった情報を得るために大学院学費を払って、大学院生になっているのに・・・

教員の先生も暇ではないので「どう最近元気してる?研究やってる?」
なんて聞いてくれないでしょう。
いつまでも子供ではないのですから・・・

影が薄い!大学院生の中で存在感が薄い⁉

基本的に大学院生で必要なのは、「自ら学ぶという積極性」です。

自分で研究の計画を立てて、研究を終了させる時期まで設定しなければなりません。

しかし‥これができない人が意外に多いです。

・わからなければ、聞く!
・わかっていても、聞く!
・これでいいのかと、確認をする!
・自分の意見を、述べる!
・発表会では、質問をする!
・発表会中に質問ができる空気でないのであれば発表会が終わったから、質問する!
・さっさと帰らないで教員や仲間たちと、コミュニケーションをとる!
・自分の存在感をアピールする!

こういった積極性が必要になってきます。
可愛がられるタイプになった方が得です。

質問するというのは非常に難しいことです。
ある程度のレベルに到達していなければ質問すらすることができません。

研究発表会中に発表内容を理解して消化することができなければ、発表することは非常に困難です。
頭の回転が速くなければできません。
ある程度の知識がなければただの傍観者になるでしょう。
質問することもトレーニングなのです。
発表者は見られていますが、質問をする人も周囲から試されています

普段から積極的に行動していきましょう。

気がついたら一回も学会発表していない

学会発表すると結構大変ですけれども、大抵の学会は半年以上前に演題登録をしなければなりません。

修士課程で研究してる内容を発表しようとしても、学校の発表会通りに研究を進めていては発表する時間がありません。

修士課程の1年目が、研究計画の組み立てで終わってしまう。

修士課程の2年目になってやっとデータを取り始めるもデータをまとめる時間もなく発表できる段階には至らない。

気がついたら修士課程が終わっていて、外の学会発表では1回も発表したことがない。
という方もいるのではないでしょうか?
大学院生活のうちに色々な経験を積んでいくことが必要です。

大学院を卒業した時にはもう修士課程あるいは博士課程の修了者なのですから。
それなりのレベルに到達していなければいけません。

ですので外部の学会発表をしようと思ったら、学校のスピードに合わせていては発表する機会すら作れなくなります。
早め早めに行動して自分なりにデータをまとめて積極的に発表することです。

大きな学会でなくても結構です。
最初は小さな学会でもいいのでアウトプットしてみることです。

やらなきゃわからないことがあります。
「トライ&エラー」 で失敗を恐れずに挑んでみましょう。

自分が思うほどに周囲の人はあなたの失敗をそんなに気にしてはいません。

気がついたら論文を一回も書いたことがない

大学院生になって学会発表するだけでも結構緊張するわけですから、それを文章にまとめて、論文にするとなるとまた一つハードルが高くなります

学会発表では、だいたい6~7分ぐらいの発表時間で終わってしまいますので、周囲の人もあまり理解することなく終わってしまうことがあります。

論文ではじっくりと読まれるため、ごまかしが効きません。

論文にするとなると査読者がしっかりと読み込んで細かいところまで修正をします。
(学会誌や査読者にもよりますが)
ですので、論文を書くってかなり難しいんです

私も最初に論文を書いた時は、指導していただいて先生にかなり修正していただきました。
何回書いても修正が入るので、もう何の話をしてるんだかよくわかんなくなりました。
でもやるしかありません。

文章を書くのが下手だなぁ

と言われたとしても、書いてみるしかありません。
論文を書いてみるしか成長する手段がないのです。
論文を書けるところから書いてみる。
時間がかかってもいいからコツコツと毎日パソコンに向かってみる。
大学院を卒業してからでもいいので、論文として一つの形にしてみる。

大学院に卒業することが目的ではなく、大学院は研究法を学ぶところなのですから、大学院が終わったとしてもそこから新たな道がスタートします。

とりあえず論文を書いてみましょう。

まとめ

大学院生活の経験をもとに、大学院生が失敗してしまうことについて解説してみました。

大学院に行ってみないと分からないことがたくさんあります。

そして何事もなく大学院生活を送ってしまって、気が付いたら大学院に進学した時とあまり変わらない状態で卒業する人もかなり多いと思います。

それではもったいないですよね?

大学院に進学したのですから成長して修士課程・博士課程が修了できるようにしましょう。

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